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伝わるプロンプトの作り方

伝わるプロンプトの作り方 AI

生成AIへお願いしたのに、欲しかった内容と違う回答が返ってくることがあります。その原因は、AIの性能だけでなく、目的や条件が十分に伝わっていないことかもしれません。

プロンプトは、長く書けばよいわけではありません。「何をしてほしいか」「どんな条件があるか」「どのような形で答えてほしいか」を分けると、短くても意図が伝わりやすくなります。

プロンプトの意味や基本から確認したい方は、先にプロンプトとは?基本の考え方をご覧ください。生成AIの活用例はChatGPTなどの生成AIでできることで紹介しています。

まず目的を一つに絞る

最初に、「AIへ何をしてほしいのか」を一つの文で表します。目的が曖昧なまま条件を増やしても、回答の方向は定まりにくくなります。

  • 文章を作ってほしい
  • 長い内容を要約してほしい
  • 複数の案を出してほしい
  • 二つの商品や方法を比較してほしい
  • 難しい内容を分かりやすく説明してほしい
  • 自分で書いた文章を直してほしい

たとえば、「運動会について」だけでは、説明が欲しいのか、案内文を作りたいのか、持ち物を整理したいのかが分かりません。「運動会の保護者向け案内文を作ってください」とすると、目的が明確になります。

伝わりやすい基本の型

初心者は、次の三つを順番に書くところから始めると整理しやすくなります。

  1. 目的:何をしてほしいか
  2. 条件:対象者、長さ、使う材料、期限、含めたい内容など
  3. 形式:文章、箇条書き、表、手順など

必要な場合は、元になる文章やデータも最後に加えます。

項目 書く内容 例
目的 AIにしてほしい作業 夕食の献立を考えてください。
条件 回答を絞るための情報 4人分、30分以内、ピーマンを使う。
形式 答えの見せ方 三案を材料と手順に分けてください。

三つをつなげると、次のようになります。

夕食の献立を考えてください。大人2人と子ども2人の4人分で、調理時間は30分以内、ピーマンを使う料理にしてください。三案を、材料と手順に分けて示してください。

「目的・条件・形式」という見出しを毎回入力する必要はありません。自分の頭の中を整理するための型として使います。

誰が読むのかを伝える

同じ内容でも、読む人によって適した説明は変わります。子ども向け、初心者向け、経験者向けなど、対象者を条件に加えると、言葉の難しさや説明の詳しさを調整しやすくなります。

伝え方 想定される回答
虹ができる理由を説明してください。 対象者をAIが判断するため、難しさが希望と合わないことがある
虹ができる理由を、小学1年生向けに、難しい言葉を避けて説明してください。 低学年を想定した言葉や例が選ばれやすい

対象年齢だけでなく、「初めて読む保護者向け」「地域行事へ参加する住民向け」のように、その人の立場や知識も伝えられます。

必要な条件を具体的にする

条件には、回答へ必ず反映してほしい情報を書きます。目的に関係する条件だけを選びましょう。

  • 長さ:200字以内、三段落、五項目
  • 対象:小学生、初心者、保護者
  • 範囲:この文章だけを使う、三つの商品を比べる
  • 内容:日時と持ち物を必ず入れる
  • 除外:専門用語を使わない、辛い料理を除く
  • 基準:費用、時間、安全性の三点で比較する

「短く」「分かりやすく」「たくさん」といった言葉は、人によって受け取り方が異なります。必要なら「150字以内」「三つの箇条書き」のように、確認できる条件へ置き換えます。

答えの形式を指定する

内容が合っていても、長い文章で返ってくると使いにくい場合があります。どのように読みたいか、どこへ使うかに合わせて形式を指定します。

  • 手順を番号付きで示してください。
  • メリットと注意点を表にしてください。
  • 結論を先に書き、その後に理由を説明してください。
  • 見出しと本文に分けてください。
  • 候補を五つ、箇条書きで示してください。

使い道が決まっていないときは、無理に形式を指定しなくてもかまいません。最初の回答を見てから、「表に直して」「短い案内文にして」と追加で頼めます。

修正前と修正後を比べてみよう

案内文を作る場合

修正前:清掃活動のお知らせを書いて。

修正後:自治会の清掃活動に参加する住民向けのお知らせ文を作ってください。日時は10月10日午前9時、集合場所は公園入口、持ち物は軍手と飲み物です。200字以内で、親しみやすく丁寧な文章にしてください。

修正後では、読む人、必要な情報、長さ、文章の雰囲気が分かります。AIが推測しなければならない部分が減り、使いやすい下書きになりやすくなります。

比較してもらう場合

修正前:AとBはどちらがいい?

修正後:AとBを、初期費用、毎月の費用、使いやすさの三点で比較してください。分からない情報は推測せず「要確認」と書き、最後に向いている人の違いをまとめてください。

比較する基準を決めると、何をもとに違いを整理したのかが見えやすくなります。「分からない情報を推測しない」という条件も、事実と未確認情報を分ける助けになります。

子ども向けに説明する場合

修正前:電気について教えて。

修正後:電気が家まで届く流れを、小学1年生向けに説明してください。難しい漢字を避け、発電所、電線、家の三つの言葉を使って、四文以内にしてください。

対象、説明する範囲、使ってほしい言葉、長さを示すことで、学習目的に合う形へ近づけられます。ただし、説明の正しさは教科書や信頼できる資料でも確認します。

元の文章や情報を区切って渡す

要約や言い換えを頼むときは、指示と元の文章を分けると伝わりやすくなります。

次の文章を、小学生の保護者向けに150字以内で要約してください。日付と申込期限は省略しないでください。

【元の文章】
ここに要約してほしい文章を入れます。

かぎ括弧や「元の文章」「条件」などの見出しを使うと、どこまでが資料で、どこからが指示なのかを区別しやすくなります。

分からないことは質問してもらう

必要な条件をすべて最初から思いつけない場合は、生成AIに確認してもらう方法があります。

町内イベントの案内文を作りたいです。作成に必要な情報が足りなければ、文章を作る前に質問してください。

この一文を加えると、日時、場所、対象者など、不足している情報を尋ねる回答が期待できます。ただし、必ず適切な質問が返るとは限らないため、自分でも必要事項を確認します。

条件を増やしすぎない

細かく指定しすぎると、条件同士がぶつかることがあります。たとえば、「詳しく説明して」と「100字以内」を同時に指定すると、どちらを優先するか分かりにくくなります。

条件が多い場合は、絶対に守ってほしい条件と、できれば反映してほしい希望を分けます。

  • 必須:200字以内、日時と場所を含める
  • 希望:親しみやすい表現、季節のあいさつを入れる

まず少ない条件で回答を出してもらい、その後で必要な修正を頼む方法もあります。

回答を見ながら調整する

伝わるプロンプトは、一度で完成させる文章ではありません。回答を確認し、どこが目的と違うかを伝えて調整します。

  • 内容はそのままで、半分の長さにしてください。
  • 二つ目の案をもとに、材料を少なくしてください。
  • 比較項目に安全性を追加してください。
  • 専門用語の後に短い説明を加えてください。
  • 最初の段落は残し、二段落目だけ書き直してください。

「もう一度」とだけ伝えるより、残したい部分と変えたい部分を示すと、修正の方向が明確になります。

すぐ使える基本テンプレート

迷ったときは、次の形に必要な情報を当てはめます。

【目的】○○をしてください。
【対象・背景】○○が、○○のために使います。
【条件】○○を含め、○○は避けてください。長さは○○です。
【形式】○○の形で示してください。
【元の情報】必要な文章やデータをここに入れます。

すべての欄を埋める必要はありません。回答へ影響する項目だけを残すと、読みやすいプロンプトになります。

送信前に確認したいこと

  • してほしい作業が一つの文で分かるか
  • 読む人や使う場面が必要なら書かれているか
  • 絶対に必要な条件が抜けていないか
  • 希望する答えの形が伝わるか
  • 個人情報や秘密が含まれていないか

よいプロンプトを書いても、生成AIの回答が正しいとは限りません。プロンプトは希望する形へ近づけるためのものであり、事実を保証するものではありません。重要な内容は必ず別の資料で確かめます。

まとめ

伝わるプロンプトを作る基本は、目的、条件、形式を分けて考えることです。誰が何のために使うのか、どの情報を必ず含めるのか、どの形で答えてほしいのかを必要な範囲で伝えます。

最初から完璧な文章を目指す必要はありません。短いプロンプトから始め、回答を見ながら条件を足したり、残す部分と直す部分を伝えたりすると、希望する内容へ近づけられます。

次の記事では、生成AIが自然な文章の中に誤った情報を混ぜる「ハルシネーション」について説明します。

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